せみを虫かごいっぱいに入れて園に持ってきたT君

思いやりと自発性を育む

年長児5歳 T君

せみを虫かごいっぱいに入れて園に持ってきたT君。
夏のはじめに図鑑や絵本等で、せみは命が短いのでとったら逃がしてやりましょう。という一文があり、その話で盛り上がっていたみんな。
「いけないんだよ。せみは命が短いんだよ」
「逃がしてあげなよ」
それを聞いて「あっそうだった」と思い出した様子。

外へ出てせみを木に1匹ずつつけていた。みんなが取らないか確認してから入室したT君。
でも、落ち込んでいる様子。
「どうしたの?」
「S君にあげようと思ってたんだ」
「S君にあげようと思ってたんだね」
「ますみ先生が逃がしてあげなさいって言ったから逃がしたんだ」
「前に図鑑を見て先生が言ったこと覚えてたんだね」
「うん」
「それで逃がしてあげたんだ。やさしいね。今度見つけたらS君にあげる?」
「うん。また、じいちゃんに捕まえてもらうわ」

大好きなお友達にあげようと意気揚々と虫かごを持ってきたT君でしたが、思い描いていたようにはいかずショック!でも、先生から気持ちを受け止めてもらって元気になったのでした。